沿革
沿革と現状
物理探査学会の前身である物理探鉱技術協会は,物理学的・化学的地下探査に関する学問および技術の進歩・発展・普及と会員相互の親睦・連絡を図ることを目的として,1948年(昭和23年)5月に創立された。
創立当初の個人会員は416人,賛助(特別)会員は18社であり,初代会長(委員長)は飯田汲事氏であった。また,学会創立に遅れること1か月にして会誌「物理探鉱」第1巻第1号が発刊された。当時の事務局は川崎市にあった商工省地下資源調査所内(後に通商産業省地質調査所,現在,(独)産総研地質調査総合センター)におかれた。
その後,本学会は我が国の物理探査技術の発展とともに順調に成長している。この間1980年1月には会の名称を物理探鉱技術協会から物理探査学会に,また1986年には会誌名を「物理探鉱」から「物理探査」へと改名した。さらに,地質調査所内に設置されていた事務局は地質調査所の筑波移転に伴い,1979年に東京都港区高輪に,1987年に東京都大田区中馬込へ,さらに2006年に現在の東京都千代田区東神田へと移転した。
本学会は2001年12月に文部科学省より社団法人の認可を,その後一般社団法人を経て2013年5月には公益社団法人として内閣府より認定を受けた。そして,研究発表,知識技術の交換,会員相互および内外の関連学会との連携協力等を行うことにより,物理探査学の進歩普及を図り,わが国の学術の発展に寄与することを目的とした法人として活動を行っている。加えて現在は従来にも増して防災,社会インフラ維持整備等の公益に資する活動を強化している。
また国際活動を活発化し,現在米国物理探査学会,欧州物理探査学会,オーストラリア物理探査学会,韓国物理探査学会,米国環境・土木物理探査学会,ベトナム地球物理学会および中国石油物理探査学会との協力協定を締結している。2004年には,オーストラリア物理探査学会および韓国物理探査学会との3学会で,年に1号の英文誌を共同で出版することを開始し,現在は毎年4巻を3カ国による共同出版誌として発行している。