社団法人 物理探査学会
第117回(平成19年度秋季)学術講演会


新潟県中越地方の3次元地下構造モデルと地震動シミュレーションに基づく地下構造モデルの推定

講演要旨(和文)
笠松・山中(2006)による2004年新潟県中越地震震源域のモデルを拡張し,新潟県中越地方の3次元地下構造モデルを作成した.2地震の長周期地震動シミュレーションを検討した結果,NIG019小千谷などでは観測波形の大まかな様子を計算によって再現できたが,NIG025直江津やNIG016寺泊などの観測点で波形の一致度が悪かった.作成した3次元深部地下構造モデルをより現実的なものへ修正するために,地震観測点直下の地下構造の推定を目指して波数積分法を用いた中小地震の地震動シミュレーションに基づく地下構造の推定手法を検討した.NIG019小千谷を対象に検討を行った結果,地震基盤深度の推定精度は概ね確認されたが,低速度層の層厚の推定精度に課題が残されており,今後この課題の解決に向けて他の地震・サイトへの適用検討を行うとともに複数の地震を用いた同時逆解析などの検討を実施する予定である.

講演要旨(英文)
We constructed a 3D basin model referring to Kasamatsu and Yamanaka(2006), and considered how to estimate the 1D structure model beneath the observation point with discrete wave number representation.