社団法人 物理探査学会
第117回(平成19年度秋季)学術講演会


海中のELFならびにHF電磁波伝播の検討

講演要旨(和文)
海水中では電磁波は急激に減衰することが知られているため,電磁波を利用した実用に供する水中装置はほとんど開発されていない.一般には減衰を抑えるためには使用する周波数を低くする必要があるとされている.そこで、これまでは超低周波数領域を中心とした周波数依存の伝播特性を計測してきた。最近になってリバプール大のLucasらによりHF帯での海中伝播が可能であるという報告がなされている。彼らによれば、初期減衰を抑えられれば、遠方衰は距離に反比例であるので、十分通信に使えるとしている。そこで、今回の報告ではこれまでのELF伝播の計測結果と共に、Lucasらの方法を用いて計測したHF伝播結果を比較報告し、その実用性の是非を検討する。また、シミュレーションを用いて真水を介したアンテナの有用性について検討した結果を報告する。

講演要旨(英文)
We have attempted a test of high frequency(HF) electromagnetic wave propagation in underwater. It is generally supposed that HF wave does not propagate in sea water because HF wave is rapidly decayed with distance. Lucas suggests that HF wave can be use for a communication in sea water in distance of up to 1000m. In this study, we try a propagation test of LF wave but also HF wave.