社団法人 物理探査学会
第117回(平成19年度秋季)学術講演会


道南3火山の比抵抗構造

講演要旨(和文)
北海道南西部に位置する樽前山,北海道駒ヶ岳,および有珠山の道南三火山は同じテクトニクスの場所にあるとはいえ,その活動様式は似ているところもあるが,独特の様式もある.本研究は,これらの火山における比抵抗探査から火山体構造の共通性および個々の特異性を見いだし,それらを特徴づけている要因を明らかにすることが目的である.共通する特徴として,新第三紀に相当する層が低比抵抗であることがまず挙げられる.これは帯水層である新第三紀層が火山活動による熱で温められ,熱水対流系が発達していることを示唆する.有珠山の場合には,この新第三紀層の中の高比抵抗体が冷却中の貫入マグマであると解釈されており,駒ヶ岳でも類似の傾向を示している.一方,マグマだまりあるいは火道と考えられる低抵抗構造は樽前山でのみで顕著であった.これらの違いは,マグマの質やマグマだまりの規模に起因しているのかもしれない.

講演要旨(英文)
Tarumai Volcano, Hokkaido Komagatake Volcano and Usu Volcano are active volcanoes located in the southern part of Hokkaido. Although they situate to the same tectonics and their activities are similar each other, they have also the unique characteristics. The purpose of this study is to clarify the relationship between the types of volcanic activities and the subsurface structures through comparing the results of resistivity investigations at three volcanoes.