社団法人 物理探査学会
第116回(平成19年度春季)学術講演会


ナイキスト条件を超えた長間隔2点アレーの時空間応答特性

講演要旨(和文)
長距離での相互相関(Long-Range Correlation: LRC)を用いた波動伝搬特性の推定技術について,複素コヒーレンス関数(Complex Coherence Function: CCF)の時間応答及び空間応答を用いて検討を行った.CCFとは近年,空間自己相関関数の替わりに用いられる量である.検討の結果,CCFは2つの観測点を結ぶ線上を波面が通過する場合,つまり0度または180度方向から入射する波に対してのみ強い感度をもつことが明らかになった.また入射方位によるゲインの違いを調べたところ,0度または180度方向の入射波は90度方向の入射波よりも約15dBゲインが高いとの結果が得られた.さらに,CCFは周波数が高くなるほど指向性が先鋭化し,0度及び180度方向からの入射エネルギーが相対的に小さくなるため,high-cutフィルタのように振る舞う可能性があることも明らかになった.

講演要旨(英文)
We discuss the spatial and temporal responses of the Complex Coherence Function which corresponds to the array output of the two stations. The CCF is equivalent to a frequency response function or an impulse response function between the stations. In this article, we have studied the properties of the CCF beyond the Nyquist limit in order to provide a new perspective on the long-range correlation technique