社団法人 物理探査学会
第116回(平成19年度春季)学術講演会


地震動のS波部分を用いた地下構造モデルの推定

講演要旨(和文)
近年、地震動シミュレーションのための地下構造モデルが数多く作成されている。これらの研究では、主に微動アレイ探査や反射法地震探査などの物理探査データを基に地下構造モデルを構築している。しかし、中小規模の平野・盆地では十分なデータが無いのが現状である。一方近年、K-NETに代表される強震観測網が全国的に整備され、地方自治体の震度計データも公開されつつある。したがって、地震記録を用いて地下構造モデルが推定できれば、物理探査データが少ない地域でも精度の高い地下構造モデルが構築できる。本研究ではS波主要動部分に着目し、地下構造モデルを推定することを目的とした。小地震の記録を対象にし、平面波近似をして、震源の時間関数に単純なスムーズドランプ関数を用いて近似した。数値実験の結果及び千葉県成田における観測データへの適用例を報告する。

講演要旨(英文)
We estimated depp velocity structure by fitting of S-wave waveform. Numerical experiments indicated that the velocity structure can be inverted by genetic algorithm. We apply this method to KiK-net data. The basement depth is agree with borehole data.