社団法人 物理探査学会
第140回(2019年度春季)学術講演会


極小アレイ探査によるスペインムルシアのVS30マップ

講演要旨(和文)
スペイン南東部のムルシア市におけるローカルサイトエフェクトを評価するために市内とその周辺、そして、市の南部にあるCarrascoy断層沿いの合計50地点において極小微動アレイ探査を実施した。観測は6台の微動計を用いて半径60cmのアレイと1辺が5〜10mのアレイで行なった。観測時間は16分とした。各観測点で得られたデータから、CCA法により位相速度分散曲線を推定するとともに、波長40mの位相速度(C40)からVS30(深度30mまでの平均S波速度)を求めた。その結果、ムルシア市におけるVS30マップを作成することができた。マップからVS30の値は市の中心部において低く、市の南部にあるCarrascoy断層沿いでは高くなる結果が得られた。ただし、Carrascoy断層沿いのVS30は場所により値が大きく変化することが明らかになった。

講演要旨(英文)
In order to characterize the local site effects in Murcia city, southeast of Spain, we have carried out miniature array measurements of microtremor at 50 points in and around Murcia city. The phase velocity dispersion curve at each measurement point is computed using CCA method and VS30 value is obtained from C40 value. As the results, VS30 map of Murcia area is obtained. This map demonstrated that VS30 values in the center of the city are relatively low and those at points along the Carrascoy Fault are high.