社団法人 物理探査学会
第137回(平成29年度秋季)学術講演会


ニューラルクリギングを用いた比抵抗データからの葛根田地熱地域の温度構造の推定

講演要旨(和文)
地熱システムを理解するために,地熱地域における地下の温度構造の把握は重要である.本研究では,温度に感度をもつ比抵抗データから,ニューラルクリギングを用いて温度構造を推定する手法を開発し,手法の特徴および精度について検証を行った.対象地域は,岩手県の葛根田地熱地域とし,当該地域で取得された7本の坑井の温度データを用いて解析を行った.また,比抵抗データとして,MT法で得られたデータを用いた.解析の結果,深さ3729 mまで掘削されている坑井WD1において,ニューラルクリギングを用いた手法では,ニューラルネットワークを用いた手法と比べて,推定値およびバリオグラムの誤差がそれぞれ,5.7 %および21 %小さくなることが示された.本研究の結果はニューラルクリギングを用いた比抵抗からの温度推定手法の有効性を示している.

講演要旨(英文)
We examined the accuracy of temperature estimation based on resistivity data using neural kriging. Through the application to the Kakkonda geothermal field, we found that the estimation error decreased as well as the decrease in the error of the variogram. The decrease amount of the estimation error was especially significant at a well location far from teaching data.