社団法人 物理探査学会
第134回(平成28年度春季)学術講演会


干渉SAR解析による桜島の地殻変動モニタリングに関する研究

講演要旨(和文)
近年,日本では,火山活動に伴う災害が増加しているため,事前防災の面からも,火山活動の挙動を把握することが急務である.現在の主な地殻変動の観測は,GPSによる測量と干渉SARによる測量である.GPSは時間解像度が高い反面,固定された観測点の測量であるため,地域全体でどのような変動が起こっているのかを俯瞰的に把握することや,任意の点における地殻変動を分析することは,精度的に限界がある.干渉SARから得られるデータは,衛星から観測方向へ向かうベクトルに対する変位である.そのため,得られる変位というのは1次元的なデータであり,実際起こる3次元の変位に対して精度が低いという問題がある.本研究では,桜島のPALSAR-2画像(図1)の北行軌道と南行軌道それぞれの観測方向の変位ベクトルを合成することで,地表面の3次元的な変位を求めた.この結果に基づき,桜島全体の地殻変動のマクロな観点からの解析を行った.

講演要旨(英文)
We estimated horizontal and vertical displacement value with more precision by using the vector composition analysis method of ALOS-2/PALSAR-2 bi-directional data. We also conducted time series analysis with high coherence images, and produced the stable time series profiles. The aim of this study was to evaluate the capability of InSAR analysis when applied to monitoring of crustal movement. The results of this study indicated that the method offers the possibility of early warning of the volcanic eruption.