社団法人 物理探査学会
第132回(平成27年度春季)学術講演会


干渉SAR時系列解析による短期的変動検出に関する研究

講演要旨(和文)
干渉SAR時系列解析における平滑化パラメータの決定法に関して,突発的変動の検知を目的した新しい手法を提案する.一般に平滑化パラメータを大きくすると平滑化の効果が強くなり,回帰ごとの誤差の影響を受けにくくなるが,突発的変動は捉えられなくなる.逆に,平滑化パラメータを小さくすると突発的な変動を抽出できるが,回帰ごとの誤差の影響も受けやすくなる.そこで,突発的変動が発生したと推測される期間のみ部分的に平滑化を緩めることで,ノイズによる影響を抑えつつ突発的変動を検知できるように,全観測日を2つの期間に分割してそれぞれの期間に対して異なる平滑化パラメータを設定する手法を提案する.本研究では2007年にスロースリップが発生した房総半島に対して本手法を適用し,GPS観測データとの比較検証でこの現象の検知が可能であるか否かを検証した.その結果,スロースリップの発生時期を検出できることがわかった.

講演要旨(英文)
We suggest the new technique for the detection of short time period deformation occurred in time series analysis. This method controls the smoothing parameter of the InSAR time series inversion analysis based on the statistical characteristics of DInSAR results. We performed the comparison verification between the GPS data and the time series analysis in both conventional technique and the new technique.