社団法人 物理探査学会
第132回(平成27年度春季)学術講演会


統合物理探査結果を用いた堤体評価に関する考察

講演要旨(和文)
堤防において実施される統合物理探査の解釈・評価はクロスプロットにより危険箇所を抽出するという方法で行われている.特に,浸透に対する危険性を評価するうえでは,比抵抗とS波速度のクロスプロットから高比抵抗かつ低S波速度を示すデータを抽出している.その際,データ区分に用いられる閾値が評価に大きな影響を及ぼすため,その閾値をどのように設定するかが問題になってきている.そこで,比抵抗とS波速度という二つの物性のクロスプロットからデータ区分を行うときの考え方を整理し,危険箇所抽出における閾値設定の考え方を示す.また,比抵抗だけでなく,S波速度も用いた土質区分を行う閾値についても述べる.さらに,岩石物理モデルを利用し,これまでの離散的な危険度評価ではなく,連続的な危険度評価を行う方法を示す.

講演要旨(英文)
Rock physics based methodology for estimating various soil properties is proposed to overcome an issue of current cross-plot analysis in the integrated geophysical survey. The method provides clay content and porosity sections, and it reduces the ambiguity associated with the determination of each threshold value for the resistivity and S-wave velocity. A vulnerability section can be calculated from the two properties by defining a function representing a kind of permeability. The result has more information than the conventional result