社団法人 物理探査学会
第129回(平成25年度秋季)学術講演会


干渉SARと斜面ベクトル解析による広域地盤変動モニタリング

講演要旨(和文)
我が国は,震災や火山噴火,台風や巨大低気圧の襲来などで地盤が不安定な場所が数多く,土石流,地すべり,がけ崩れ等の土砂災害が発生しやすい.特に近年大型台風や局所的な豪雨が増加傾向にあり,このことは大規模土砂災害を誘発する脅威となっている.これまで,関東平野,名古屋,大阪,九州,東北,紀伊半島などをモデル地域とし,干渉SAR 技術を用いた長期地盤変動計測システムの開発と利用によって,地盤沈下や火山噴火のモニタリングなどの有効性を検証してきた.それらは特に事前災害予測のために有用な情報を得る可能性について模索する目的であったが,最終的に災害予測値に何らかの対策を講じるためには,被災地点や未崩壊の被災予測地点などを高精度に抽出する必要があると思われる.今回,以前解析を行った地域において更なる補正処理やフィルタ処理による画像の先鋭化を行うことでハザードマップとしての可能性を再度検討した.

講演要旨(英文)
We perform SAR analysis using ENVISAT/ASAR data, ALOS/PALSAR data and commercial software in order to investigate discontinuous movement around disaster areas in Japan. The results of this analysis were compared with extracted linear structures from the slope vector map. We considered the possibilities of dangerous area extraction from this method.