社団法人 物理探査学会
第129回(平成25年度秋季)学術講演会


弾性波の振幅減衰を用いた地盤改良範囲の確認に関する実験的研究

講演要旨(和文)
薬液注入工法は地盤の液状化対策として広く普及しているが,注入範囲の確認を行うことが必要である.本研究では弾性波の振幅減衰を用いた薬液注入範囲の確認を目的として模型土槽を用いた実験を行った.実験には周波数と振幅を正確に制御でき,また振幅減衰率分布図を出力できる音響トモグラフィ法を用いた.薬液注入前,注入後(改良体1個,改良体6個)の3ケースの実験結果から,薬液の注入範囲で減衰率が高くなること,速度は薬液注入の影響をほとんど受けないことを確認した.さらに,結果の妥当性を検証するために数値シミュレーションによる比較検討を行い,計算結果が計測結果とよく一致することを確認した.以上のことから同法で得られた減衰率分布図が薬液注入範囲の確認に有効であることがわかった.

講演要旨(英文)
P-wave amplitude tomography is proposed for the purpose of verifying a soil improved area by chemical grouting. Verification experiment results by using a small tank which has a sand gel injected in the middle show that a highly attenuated area agrees with the area where the sand gel is injected.