社団法人 物理探査学会
第127回(平成24年度秋季)学術講演会


干渉SAR解析と斜面ベクトル解析を用いた広域ハザードモニタリングについて

講演要旨(和文)
現在日本の国土は度重なる震災や火山噴火、台風や巨大低気圧の襲来などで地盤が不安定な場所も数多く存在する。このため、それらの予兆である微小な変動などを捉えることができれば、災害の防止や軽減が期待できる。しかし、これらの危険地域は直接監視することが難しく範囲が広域に及ぶ場合が多いので、干渉SAR 技術を用いた監視が有効である。筆者らはこれまで干渉SAR 技術を用いた長期地盤変動計測システムの開発と利用によって、地盤沈下や火山噴火のモニタリングなどの有効性を検証してきた。今回、ENVISAT /ASAR、PALSAR 画像、DEMなどを用いて関東平野、名古屋、大阪、九州などをモデル地域とした地盤変動量解析を行い、大規模土砂災害の前兆現象など、事前にこれらの災害を予測するために有用な情報を得る可能性について模索しながらハザードマップとしての可能性を検討した。

講演要旨(英文)
We conducted DInSAR analysis and InSAR time-series analysis using ENVISAT/ASAR data and PALSAR data. The results of this analysis were compared with extracted linear structures from the slope vector map. The results show that InSAR analysis is useful for the disaster monitoring such as earthquakes and volcanic eruptions. We considered the possibilities of dangerous area extraction from this method.