社団法人 物理探査学会
第127回(平成24年度秋季)学術講演会


干渉SARによる自然災害モニタリングの可能性と課題について

講演要旨(和文)
本研究は,九州全体の地盤変位解析を行い、干渉縞が検出された箇所を検証するための現地調査を実証的に行った。現地調査は、SAR解析により地盤変位が検出された22 箇所のうち3 箇所を選定し、それらの地域を現地踏査して地表の状況を点検し、研究手法の実用性を評価した。選定箇所は、佐賀県唐津市水ノ元山、長崎県松浦市調川町、大分県九重連山星生山である。また、2008年から2009年にかけて調査・研究を行った宮崎県鰐塚山周辺部に関しても、その後の追跡研究としてInSAR解析処理を行った。宮城県鰐塚山は2005年に台風14号によって大規模な崩壊が起きたが、過去においても小中規模の崩壊が度々発生している。これらの地域を対象として、大規模土砂災害の前兆現象など、事前にこれらの災害を予測するために有用な情報を得る可能性について模索する。

講演要旨(英文)
Differential InSAR (DInSAR) analysis and InSAR time series analysis were performed in Kyushu area. The data used in this study were ALOS/PALSAR images acquired from 2006 to 2011 in the Kyushu area. In the field survey, we confirmed the result of InSAR analysis, and conformity of local landslide area. As a result, the effectiveness of hazard monitoring in the wide area by InSAR analysis was clearly demonstrated through the detection of the local landslide.