社団法人 物理探査学会
第122回(平成22年度春季)学術講演会


直線アレイによる微動観測記録からの地盤のS波速度構造の評価

講演要旨(和文)
 耐震性の調査等の際の地盤のS波速度分布の評価方法として常時微動アレイ探査が適用されている。一方で、SPAC法等の常時微動アレイ探査と地震波干渉法の等価性が検討されており、また常時微動観測記録への地震波干渉法適用結果にもとづくS波速度構造の評価が試みられている。  前者が平坦な地形と水平構造の地盤を前提とし、また設置するセンサの配置にも一定の拘束条件を課すのに対し、後者は平坦でない地形や比較的自由なセンサ配置に柔軟に対応できる可能性がある。このような特徴は、例えば既設の農業用貯水池の堤体やその基礎地盤の振動特性の評価に有効と考えられる。  本報では密にMEMSセンサを配置した直線型アレイで取得した微動観測記録から相互相関処理によって擬似ショット記録を抽出し、それによるS波速度分布構造の評価を試みる。その結果を人工震源による結果やPS検層、微動アレイ探査等の結果との比較により検証を行う。

講演要旨(英文)
We retrieve the pseudo shot gather from the microtremor data in the linear sensor array in order to estimate the S-wave velocity profile of near surface ground. The pseudo shot gather similar to the real shot gather obtained by the hammer shot source was retrieved. It has the advantage of the estimation for phase velocity in the lower frequency range, which reflects S-wave velocity profile in deeper zone.