社団法人 物理探査学会
第122回(平成22年度春季)学術講演会


屈折法弾性波探査における技術の伝承

講演要旨(和文)
我が国の土木地質調査分野では、物理探査といえば屈折法弾性波探査を指すと言っても過言ではない時代が長く続いてきた。しかしながら、完成された技術として長く活用されてきたことの弊害として、新たな研究開発がなされず、解析技術者の技術レベルにも低下が見られるようになった。一方、近年のコンピュータの発展により、屈折法の解析にもトモグラフィ解析が導入されてきた。両者には共通点と相違点があり、長所と短所があるが、両者の位置づけや利用法について、きちんと整理されたことはなく、発注者や探査結果の利用者に混乱を招いている。そこで、地盤探査研究会は「弾性波探査における解析・解釈技術の伝承」シンポジウムを開催した。本発表では、シンポジウムの講演や議論の内容を報告するとともに、ハギトリ法とトモグラフィ解析について整理したい。さらに、弾性波探査の技術レベルの維持・向上に向けて、学会として今後なすべきことを議論したい。

講演要旨(英文)
Seismic refraction exploration method has been used especially in Japans engineering geophysics fields as one of the common investigation methods for long time. One of the reasons is that practical analysis methods called as Hagiwaras method and its expanded application were developed at the early time. Recently, tomographic inversion method was introduced in seismic refraction analysis. Although both tomography method and conventional method are used in this field now, no guideline has been determined by our society. In order to carry on the tradition of refraction seismic technology to the next generation, SEGJ should play an important roll.