社団法人 物理探査学会
第120回(平成21年度春季)学術講演会


岡山平野・児島湾干拓地の3次元重力基盤構造と地震災害の関係

講演要旨(和文)
1946年昭和南海地震によって甚大な被害が生じた岡山平野・児島湾干拓地と周辺域において,約300m間隔で3057地点の重力を測定し,3次元基盤構造を推定した.基盤の形状はNE-SW〜ENE-WSW方向およびそれに直交する方向のリニアメントに規定されており,岡山県南部の地形に支配的な広域リニアメントが干拓地を貫いている可能性が示された.一方,昭和南海地震による被害が干拓地の特定の地区に集中する傾向があったことが知られているが,従来は,これを干拓地特有の表層軟弱地盤の影響に帰する解釈が行われてきた.しかし,本研究で得られた基盤構造モデルと被害分布との間に有意な相関が認められることから,地震被害の想定にあたっては表層軟弱地盤だけでなく,基盤構造の影響を考慮する必要があることが示唆された.

講演要旨(英文)
Precise gravity measurements were conducted to obtain a 3D structural model of basement. The structural features of the obtained model were compared to the damage distribution caused by the 1946 Nankai earthquake, and then it was found that there was a close spatial correlation between the basement rock topography and the heavily damaged zones.