社団法人 物理探査学会
第120回(平成21年度春季)学術講演会


二粒子モデルを拡張した電気伝導度と間隙率の関係の検討

講演要旨(和文)
地上物理探査の利点は広範囲を連続的に探査できることである.しかし,地上物理探査により求められる物性は電気伝導度,弾性波速度等と限定されるため,工学分野に必要とされる地質環境特性(間隙率,間隙水の塩分濃度など)を定量的に解釈する技術が重要となる.また,弾性波速度と電気伝導度を組合せて解釈することができれば,単独で解釈を行うよりも精度よく地質環境特性を把握することができる.前回の発表(安藤,2008)では,二粒子モデルを用いた間隙率と弾性定数の関係の検討を行った.本研究では二粒子モデルの考え方を電気伝導度に拡張し,粘土含有率と間隙率の関係を考慮した上で,電気伝導度と間隙率の関係を求め,その適用性を検層結果により検討する.二粒子モデルの考え方を電気伝導度に拡張することができれば,弾性波速度と電気伝導度を組合せて解釈を行う際に,同一のモデル(二粒子モデル)を用いて解釈できるという利点がある.

講演要旨(英文)
In this study, we have combined the bimodal grain mixture model and the incremental model, which is based on the Bruggeman-Hanai equation, to investigate the relationship among conductivity, porosity and clay content. The bimodal grain mixture model could explain the relationship between porosity and clay content, which are used to estimate conductivity in the incremental model.